下痢は、体の不調を知らせるサインです。
長く続く下痢は病気の症状かもしれませんよ。
この記事では、下痢が続く原因と、可能性のある病気を紹介します。
★健康な下痢とは?
ほとんどの場合
下痢の原因は食事であり、病気とは関係ありません。
たとえば、油物を食べ過ぎたり
スポーツ飲料を一度に飲みすぎたりすると、下痢になります。
このような、食事由来の下痢は
健康な状態でも起こりうることなので
さほど気にする必要はありません。
ですが、食事に問題がないのに
何週間も何か月も下痢が続く場合は、注意が必要です。
病気の可能性があるからです。
★下痢が続く病気は?
下痢が続く原因として
考えられる病気は以下です。
- 過敏性腸症候群
- 潰瘍性大腸炎
- 大腸がん
- エイズ
- クローン病
- バセドウ病
症状と治療法を順番に説明します。
(1)過敏性腸症候群
過敏性腸症候群は神経性下痢ともいいます。
ストレスが原因で、下痢が続いたり
便秘と下痢を交互に繰り返したりします。
また、極度のストレスを感じると
便意をもよおしたりもします。
治療法は、精神面のケアと
生活習慣の見直しです。
精神面のケア⇒心療内科や精神科へ行く
生活習慣の見直し⇒食事制限、禁煙、禁酒、運動
(2)潰瘍性大腸炎
潰瘍性大腸炎は、大腸に潰瘍(かいよう)ができる病気。
症状は下痢と血便ですが、原因は特定されていません。
潰瘍性大腸炎にかかると
健常者よりも大腸がんになる可能性が高くなります。
治療法は、投薬または手術ですが
根本的に治す方法は、確立されていません。
(3)大腸がん
長引く下痢で、一番怖いのが大腸がんです。
大腸がんの代表的な症状は以下。
- 便秘と下痢を交互に繰り返す
- 便やおならが異常に臭くなる
- 黒色便(または血便)が出る
- 残便感がある
- 運動すると、おなかがゴロゴロする
大腸がんの怖いところは、初期は自覚症状がない点。
さらに、
過敏性腸症候群や潰瘍性大腸炎に
症状が非常に似ているため、発見が遅れがちです。
[illust_bubble subhead=”大腸がんの発見が遅れた事例” align=”right” color=”red” badge=”check” illst=”check-w3-l”]
下痢が何か月も続いたあと
大腸がんと診断された男性の事例があります。
驚くべきことに、この男性は
胃カメラ、レントゲン、血液検査、
超音波検査、すべて異常なしだったのです。
男性は、一度は過敏性腸症候群と診断されました。
ですが、大腸がんを疑った彼は
内視鏡検査を受けることに。
すると、肛門から入れる内視鏡で
大腸に巨大な悪性腫瘍が見つかったのです。
すでに腫瘍は4cm以上の大きさで
命にかかわる状態だったといいます。
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大腸がんの治療法は
手術と投薬ですが、早期発見が第一です。
一瞬でも大腸がんが頭をよぎったら
内視鏡検査をすることを強くおすすめします。
(4)エイズ
長引く下痢は、エイズの初期症状のおそれもあります。
エイズの場合、以下のような症状が併発します。
- 食欲がない
- 疲れやすい
- 体重減少
- 口内炎が多い
- 舌や口の中が白っぽい
- リンパ節の腫れ
- 原因不明の発熱が1週間以上続く
HIV検査については、こちらの記事をご覧ください。
⇒HIV検査の方法は?恐怖の体験談はこちらです
(5)クローン病
クローン病は、10代~30代に多い病気です。
小腸~肛門にかけて、炎症が発生。
症状は下痢、腹痛があります。
原因は特定されておらず
完治することがない病気といわれています。
治療法は、食事療法と投薬です。
(6)バセドウ病
女性に多いのが、バセドウ病です。
下痢のほかに、以下の症状がみられる場合、バセドウ病かもしれません。
- 眼球突出
- リンパ節の腫れ
- 筋力の衰え
- 倦怠感
- 集中力低下
- 微熱
- 異常な発汗
バセドウ病は、10代や20代でも発症する女性は多いです。
治療法は投薬または手術ですが
完治が難しい病気です。
★安心したいなら、内視鏡検査を!
以上のように、長引く下痢には
さまざまな病気の可能性が潜んでいます。
もっとも怖いのは、大腸がんです。
大腸がんは、初期症状がほとんどなく
症状が出てくる頃にはすでに手遅れというケースが多い病気です。
ですから、早めに肛門から内視鏡を
入れることを強くおすすめします。
「たかが下痢」と思わずに
体の不調サインを聞いてあげてくださいね。