「円満退社でよろしくな」
退職することを伝えたときに人事部長から言われた言葉です。
あとから気づいたのですが、これは私に有給消化をさせないためのプレッシャーでした。
この記事では、退職時の有給をうまく取る方法を紹介します。
★退職意思を伝えるときが勝負!
私が退職するとき、有給は25日残っていましたが
結果から言うと、10日しか有給消化できませんでした。
これは私にも少し落ち度があったのです。
その落ち度というのは、
「退職意思を伝えるときに有給消化の話をしなかった」という点です。
逆に言えば、そのときに有給消化の話をしていれば
おそらく有給は全部取得できていたと思います。
まず、私の退職スケジュールを見てください。
■私の退職スケジュール
12月中旬 上司と人事部長に退職の意思を伝える
1月中旬 有給消化の話をすると難色を示される
2月中旬 引き継ぎ開始
3月上旬 引き継ぎ完了
3月中旬 有給消化に入る
3月末 退職日
3か月も前に退職を伝えていたのに、
有給を使い切ることができなかったんです。
12月中旬に退職の意思を伝えたとき、
すでに退職日も3月末と決めていることを伝え、
スケジュールについてはその場でOKをもらえました。
にもかかわらず、私が有給を使い切ることができなかったのは、
このときに有給消化の話をしなかったからなのです。
その1か月後、1月中旬になって、私は
「あっ、有給消化の話をしていなかった」
と思い出して、上司に伝えました。
私「25日分の有給が残っているので、全部使いたいのですが」
上司「いや、それは困る。有給消化という考え方はうちの会社にはないから」
そのあと人事部長や取締役まで出てきて、
私に有給消化をさせないようプレッシャーをかけられました。
人事部長「円満退社するって言ったよな?」
私「それとこれとは、、、」
取締役「12月の時点で言ってくれたら対応できたかもな」
上司「3月末までしっかりがんばってくれよ(ニコッ」
「冗談じゃない」
私はそう思いました。
会社というのは、結局辞めていく人間には
一銭たりとも無駄金は払いたくないんだな、と
このとき初めて実感しました。
交渉の末、なんとか10日分は取得できることになりましたが
私の心中はけっして「円満退社」ではありませんでしたよ。
★有給消化ありきで退職意思を伝える
もし、あの12月に戻れるとしたら、私はこう伝えていたと思います。
「有給25日分を全部消化して、3月末に退職します。
引き継ぎをそれに間に合わせたいので、対応をお願いします」
私が取締役に言われたのは、
「後出しで有給消化したいと言われても困る」
ということでした。
要するに
「有給消化したいならはじめから言ってくれ」
という意味です。
私のように、退職の意思だけを伝えて、
有給消化の意思を伝えない人はたくさんいるようです。
有給消化の意思を退職の意思と同じタイミングで伝える。
これが有給を使い切るための方法です。
★会社は社員の有給取得を断れない
じつは、労働基準法では、会社は社員の有給取得を断れないんです。
ですから、就業規則にのっとり、
早めに退職意思と有給消化の意思を伝えれば
なんら問題なく有給を使いきれるはずなんですよ。
ところが、日本の会社は、
「円満退社しろ」とか
「角が立つぞ」とか
社員の良心につけこんだ発言で
有給消化させないためのプレッシャーをかけてきます。
私は折れてしまいましたが、あなたは折れずに
有給を全部取得してもらいたいですね。
★有給の時季変更権は使えない!
労働基準法では、会社が社員の有給取得時期を変更する、
時季変更権という権利を認めています。
ですがこの権利は、退職日が決まっている場合には
使うことができません。
なので、堂々と有給を使い切っていいんですよ。
★半年後にはみんな忘れます
私たち日本人は礼儀を重んじます。
だから本能的に、
「お世話になった会社に迷惑をかけるような辞め方はしたくない」
と思ってしまう。
ですが、考えてみてください。
今まであなたの会社を辞めていった人たちは、
半年後には忘れ去られていますよね?
たとえどんな辞め方をしていったとしても、
記憶は風化していくものなんです。
誰も辞めていった人間のことなんか覚えていません。
たとえば、私の勤めていた会社では、無断欠勤して、
音信不通になって辞めていった人がいましたが、
半年後には忘れ去られていました。人の記憶なんてそんなものですよ。
だから、強い心で有給を使い切りましょう。
法律上は、会社は社員の有給取得を阻止できません。
私は会社のプレッシャーに負けてしまったけど、
あなたは負けないでくださいね!
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