宮沢賢治『銀河鉄道の夜』あらすじと要点を解説!読書感想文にも

宮沢賢治の小説『銀河鉄道の夜』。
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幻想的な情景描写と、人生哲学的なテーマを取り扱った作品です。

読書感想文の課題図書としても有名ですね。

この記事では『銀河鉄道の夜』のあらすじをまとめ、この小説の最重要ポイントを解説しました。

読解の参考にしてください。

 

宮沢賢治『銀河鉄道の夜』のあらすじは?

まず、あらすじを簡単に説明します。


宮沢賢治『銀河鉄道の夜』のあらすじ

主人公はジョバンニという少年。母親は病気のため寝たきりで働けず、そのせいか、貧乏な家庭である。ジョバンニはまだ少年であるが、家計を支えるために、学校の合間に働いてお金を稼いでいる。ザネリという意地悪なクラスメイトに悪口を言われ、ほか数名のクラスメイトからも、ジョバンニはいじめられている。

典型的な「不幸な主人公」である。

ところで、ジョバンニのクラスには、カムパネルラという、良心的なクラスメイトがいる。しかし、カムパネルラはザネリたちのグループに引き込まれ、ジョバンニがいじめられるのを、気の毒そうな顔をして見ていることしかできなかった。

ある夜、星がきれいだったので、ジョバンニは草むらに寝転がって星を見ていた。そこで彼は眠ってしまい、奇妙な夢を見る。銀河鉄道に乗って、星座から星座へ、宇宙を旅する夢だ。銀河鉄道にはカムパネルラも乗っていたが、どこか悲しそうな雰囲気だった。夢の中のカムパネルラは、以下のような意味深な発言をする。「おっかさんは、ぼくをゆるして下さるだろうか。ぼくはわからない。けれども、誰だって、ほんとうにいいことをしたら、いちばん幸せなんだねえ。だから、おっかさんは、ぼくをゆるして下さると思う。」このときジョバンニは、このセリフの意味がわからなかったのだが…。

草むらで目が覚めたジョバンニは、街を歩いていると、人だかりを見つける。なんと、カムパネルラが川に落ちて死んでしまったらしい。川に落ちたザネリを助けるために、カムパネルラは川に飛び込み、ザネリを助けたけれど、自分はおぼれて死んでしまったのだった。

ジョバンニの銀河鉄道の夢に出てきたカムパネルラは、まさに死んだ直後、天国へ向かう途中だったのかもしれない…。

~~~終わり~~~


そんなに長い小説ではなく、半日あれば読めるので、気になるかたは原作を読んでみてください。

ちなみに宮沢賢治『銀河鉄道の夜』は、青空文庫で無料で読めます。
⇒青空文庫『銀河鉄道の夜』

 

『銀河鉄道の夜』の最重要テーマ

『銀河鉄道の夜』が読者に伝える重要なテーマ。

それは、「善く生きるには?」という、哲学的な問いです。「善く生きる」を簡単に説明すると、たとえば「人助けをする」とか「良心的に生きる」とか、人の役に立つ行動をする心構えとでも理解しておくといいでしょう。

 

カムパネルラの以下のセリフに、その哲学的な問いが凝縮されています。

「おっかさんは、ぼくをゆるして下さるだろうか。ぼくはわからない。けれども、誰だって、ほんとうにいいことをしたら、いちばん幸せなんだねえ。だから、おっかさんは、ぼくをゆるして下さると思う。」

このセリフをわかりやすく改変すると…

「お母さんは、親より先に死んでしまった僕を許してくれるだろうか。それはぼくにはわからない。たしかに僕は死んでしまったけれども、自分の信念のために死ねたのだから、僕は幸せなんだ。だから、お母さんは僕を許してくれると思う。」

 

ジョバンニがいじめられるのを、気の毒そうに見ていることしかできなかったカムパネルラ。良心的なカムパネルラは、ジョバンニいじめを止められなかった自分が許せなかったのかもしれません。

ですが最後に自分の正義をつらぬくことができた。命を犠牲にして、人を助けることができた。だから、カムパネルラは「本当にいいことをしたから、僕は幸せだ」と言えたのでしょう。

 

以上のように、宮沢賢治『銀河鉄道の夜』からは、人が生きていくうえでの大切な視点が学べます。

自分を曲げて生きるか、信念のために命をかけるか。

私ならどうするだろうか?」と自問自答しながら読みましょう。

宮沢賢治『銀河鉄道の夜』あらすじと要点を解説!読書感想文にも」への23件のフィードバック

  1. ありがとうございます。
    本買ったんですけど
    もっと奥深い意味しらずにいました。

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