X線を利用して体の輪切り画像を撮る、CT検査。
このCT検査の精度を上げるために使われるのが造影剤です。
ですが、CTの造影剤には副作用が出ることがあります。
この記事では、造影剤の
副作用の症状と注意点をまとめています。
★造影剤とは?
造影剤は、CTやMRIの検査時に使う、液状の薬です。
※CTとMRIの違いについてはこちらの記事をどうぞ。
⇒CTとMRIの違いは?検査前に知っておくべきことは?
造影剤を体内に注入することで
CTやMRIの画像がより鮮明になり
検査で得られる情報が増えるんですね。
CTとMRIで用いる造影剤は異なります。
CT⇒ヨード造影剤
MRI⇒ガドリニウム造影剤
ヨード造影剤のほうが副作用が出やすいので
CT検査の際は、特に注意しなくてはいけないのです。
※今回の記事では、ヨード造影剤の副作用のみ扱います。
★ヨード造影剤の副作用 症状は?
ヨード造影剤の副作用には
以下のような症状があります。
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- じんましん
- ほてり
- 吐き気
- 嘔吐(おうと)
- くしゃみ
- 声がかすれる
- ショック症状
[/check_list]
ヨード造影剤の
副作用が出る確率は1%~3%。
特に注意したいのはショック症状です。
ショック症状には以下の症状があり
なかには死亡した例もあります。
[check_list image=”check1-b”]
- 血圧低下
- 呼吸困難
- 意識障害
[/check_list]
ショック症状のような
重い症状が出ることはまれで
確率的には0.01%~0.04%といわれています。
死亡するようなケースは
さらにまれで0.001%以下といわれています。
★こんな人は危険!
以下に当てはまる人は
ショック症状が出る可能性が高いため
CTのヨード造影剤を、絶対に使用すべきではありません。
[check_list image=”check1-b”]
- 喘息
- 腎機能不良
- 過去にヨード造影剤で副作用が出た
- ヨードアレルギーがある
[/check_list]
過去にヨード造影剤で副作用が出た人は
アナフィラキシーショックにより
最悪死亡するおそれがあります。
[illust_bubble subhead=”アナフィラキシーショックとは” align=”right” color=”red” badge=”check” illst=”check-w3-l”]
ウイルスなどの異物が体内に初めて侵入したとき、体内では抗体が作られ、異物を体から追い出そうとします。
この抗体は体内に残り、次回、同じ異物が侵入したときに備えます。
そして二度目に同じ異物が侵入すると、抗体が過剰に反応し、ショック状態に陥ることがあります。
これを、アナフィラキシーショックといいます。
たとえば、ハチやクラゲに刺されると、二度目は重篤化することがありますが、これはアナフィラキシーショックの典型例です。
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★今まで大丈夫だった人も危険性あり
ここに、興味深い事例があります。
人間ドックに毎年通っている男性Aさん。
Aさんは過去に何度もCT検査をしてきた。
毎回、ヨード造影剤の副作用もなく、健康そのもの。
しかし、何度目かのCT検査で
ヨード造影剤の副作用が突然出た。CT検査の数分後、血圧が低下。
そのまま意識を失ってしまった。
一命はとりとめたが
今後、ヨード造影剤は使用不可となった。
ヨード造影剤の怖いところは
これまで大丈夫だった人でも
急に副作用が出る可能性がある点です。
★いつ副作用が出る?
CTのヨード造影剤による副作用は
注入した直後~数分後に出るケースが一番多いです。
ヨード造影剤の
副作用の現れ方には2種類あります。
「すぐに症状が出るもの」と
「遅発性副作用」といって
数時間後~数日後に症状が出るものです。
遅発性副作用が重篤化することは
まれですが、一応注意しておきましょう。
★ヨード造影剤のアレルギーチェックは?
CT検査の前にヨード造影剤の
アレルギーチェックをしてくれる病院もあるようです。
これは少量のヨードを注入して
反応をみるというものです。
ですが、
チェックでは副作用が出なくても
本番で症状が出るケースもあります。
その点を理解したうえでなら
利用してみてもいいかもしれません。
嘔吐ですんで幸いでしたが、小児喘息でも発症するとは思いませんでした。
ヨード剤によるアナフィラシキーショックで年間何人の人が亡くなってるのですか?
40万分の1という確率は正しい数字ですか?
先日、夫がアナフィラシキーショックで他界しました。