人体の断面図を撮影できる、CTとMRI。
どちらも似たような形の機械で違いがわかりにくいですよね。
ですがCTとMRIには明確な違いがあるんです。
検査に行く前に、ぜひこの違いを理解しておきましょう。
この記事では、CTとMRIの違いをわかりやすくまとめました。
★CTとMRIの違いは?
CTとMRIはどちらも人間ドックの定番です。
違いは次の点にあります。
[check_list image=”check1-b”]
- 得意部位
- 放射線被ばくの有無
- 検査所要時間
- 料金
[/check_list]
次項から説明していきます。
★得意部位の違いと被ばくの有無
CTとMRIは撮影の原理が違います。
CTは放射線(X線)を体に透過させて画像にします。
MRIは磁力と電波によって画像を取得します。
ですから
CTは放射線被ばくがありますが
MRIにはありません。
原理が違うため
検査の得意部位にも違いがあります。
以下に、CTとMRIの得意部位を一覧表にしました。
※◎⇒得意
※○⇒普通
※△⇒不得意
部位 | CT | MRI |
---|---|---|
脳 | ○ | ◎ |
脊椎 | ○ | ◎ |
肺 | ◎ | △ |
心臓 | ◎ | ○ |
すい臓、腎臓 | ◎ | ◎ |
胃 | ○ | △ |
耳鼻 | ◎ | ○ |
子宮、前立腺 | △ | ◎ |
CTは骨の影響を受けるので
頭部や骨盤周辺などが苦手です。
MRIは骨の影響を受けないので
頭部や骨盤周辺が得意。
ですが、MRIは空気に弱いため
肺、胃、腸管など空気を多く含む部位は苦手です。
これらをまとめると
「脳や脊椎はMRI、肺や心臓はCTが最適」
と言い換えることができます。
また、MRIは造影剤を使わなくても
脳や首の血管を鮮明に撮影できるのも
大きなメリットの一つです。
[illust_bubble subhead=”造影剤って?” align=”right” color=”red” badge=”check” illst=”check-w3-l”]
造影剤とは、CTやMRI検査の際、血管に注射する液体のことです。
これによって、画像がより鮮明に写るので、病変部位の特定が簡単になります。
ですが、造影剤には副作用もあるため、なるべくなら使用しないほうがいいのです。
※造影剤の副作用についてはこちらの記事をご覧ください。
⇒CT 造影剤の副作用とは?症状と注意点は?死ぬこともある!
[/illust_bubble]
★検査所要時間と料金の違い
検査所要時間についてですが
CTは5分~15分程度で終わります。
これに対し、MRIは20分~30分かかります。
次は料金についてです。
造影剤を使わない「単純検査」と
造影剤を使う「造影検査」があり
どちらもMRIのほうが高いです。
料金の相場
■単純検査
CT⇒2万円~3万円
MRI⇒2.5万円~4万円■造影検査
CT⇒3万円~4万円
MRI⇒3.5万円~5万円
★CT検査の宣伝商法に注意!
CT画像を複数撮影できる
「マルチスライスCT」という言葉があります。
また、周囲360度からX線をあてる
「ヘリカルCT」という言葉もあります。
これらは、昔は最新鋭の技術でしたが
今では当たり前の技術となっています。
「最新型マルチスライスCT!」
「最新型ヘリカルCT!」
というような宣伝文句に
惑わされないよう注意しましょう。